【完】ひとつ屋根の下で。
「見て。アンタの愛の証」



ヒカルは起き上がり、右肩を見せて来た。



今までの赤黒い歯型の上に、若干残ってる傷跡。



昨日のことを、生々しく思い出してしまう。



なんかめちゃくちゃ、恥ずかしいんだけど。穴があったら入りたいとは、こんな気持ちだ。



「知ってる?アンタにも、俺の愛の証があるんだよ」



ヒカルは微かに表情を緩めて、アタシの鎖骨の真ん中をなぞった。



アタシには、どう頑張っても見えない場所。



「俺にしか分からない場所だね」



「バーカ。ヘンタイ。エロヒカル」



お互いの、愛と優しさを求めた次の日の朝は、いつもより、とても穏やかだった。
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