【完】ひとつ屋根の下で。



重なる唇の熱さを、アタシは忘れない。



まるで魔法のような指先も、興奮して赤くなる頬も。



いつかまた、巡り会うときまで忘れないよう、アタシは目を閉じなかった。



「ん……っ!」



この痛みも、温もりも、苦しそうに歪んだ顔も、愛してる、忘れない。



次会うのはいつだろうね?



何年後、何十年後?



もしかしたら、来世か、来々世かもね。



だけど必ず、また巡り会えるよ。



気は長いんだ。待てるさ、ずっと、ずっとね。



確証だってあるよ。だって、アタシ達は二人でひとつの魂なんだから。
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