【完】ひとつ屋根の下で。
アタシはテレビ、ヒカルはパソコンをそれぞれ見ている。いつもとなんら変わらないリビング。


そんなリビングに、遠くからドオン、という音が響いた。



「花火か……」



ヒカルがボソリ、と呟いてキッチンの方へノソノソ歩く。



そして、冷凍庫を開いて、何かを取り出して戻って来た。



ヒカルが持っているのは、袋入りのかき氷。



「苺だからイチゴ味ね。俺はみぞれ食べる。ベランダ行こ」



全く、いつかき氷なんか買い足したんだか。ヒカルがいると、食料に困らないよ。



いつになくお子様な、少しルンルンして見えるヒカルに着いて行く。



ベランダに出ると、遠くで花火が光っていた。



袋の角を、ガリっと歯で破いて食べ始めたヒカル。



アタシもそれを真似て、角をガリっと破いてみる。



上手く破けなくて、ポリエステルかなんかの袋の繊維を口に残してしまい、ぺ、と吐いた。
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