【完】ひとつ屋根の下で。



ヒカルと、初めてしたキスは、イチゴとみぞれの混ざった、至極最高に、甘い味。



抱きしめられた腕の中は、花火みたいに、力強くて、だけど儚く脆い。



ヒカル、いくら考えても、馬鹿なアタシには、わかんねー。



心の真ん中が、触れ合う体温みたいにあったかい。



その真ん中からぽろぽろって溢れ出る感覚は、なんなんだ、一体。



「苺、今の顔、最高にぶっさいくだよ」



「うわ、うざっ。サイテー」



アタシが唇を尖らせると、ヒカルはぷぷっと噴き出した。



無邪気に、珍しく、綺麗な顔をくしゃ、と歪めて。



「うーそ。アンタは可愛い部類だよ。なんかリスみたいじゃん」



……ばかヒカル。下げた後上げんな。ずっこい奴。
< 75 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop