ピアスに秘めた想い
「父上?」

俺は子機を耳にあてる

「落ち着いて聞きなさい
昨日、九条クレアが自殺した」

「え?」

今、なんて……?

俺は聞き間違えたのだと思った

クレアから手紙がきていたから、父親の言葉がよく聞き取れなかったのだと思った

「九条 クレアが自殺した」

「嘘…だろ?」

死んだって

だって手紙がここに届いているんだ

クレアからの手紙が俺の手の中にあるんだ

「本当だ
これから通夜があって、明日は葬儀だそうだ
もちろんお前も行く…よな?」

「……」

本当に自殺かよ

クレアが自ら命を絶ったのかよ

「俺の…せい、か」

「勇人、お前のせいじゃない」

「じゃ、なんで死んだんだよ
俺のせいだろ?
俺がクレアに…キスしたから、克海に殺されたんだろ
俺が……おれが、クレアを殺したんだ」

くそっ

ちくしょう

なんだよ

何なんだよ、九条家って

九条克海って何なんだよ

神にでもなったつもりかよ

俺は子機を床に向かって投げつけた

俺のせいかよ

ふざけんなよ

俺を殺せよ

クレアじゃなくて、俺を殺せばいいだろうが!

< 11 / 29 >

この作品をシェア

pagetop