嘘で隠された現実(リアル)
「なぁ、せっかくだし、少し話でもするか?」


「話?」

俺は、タオルの合間から男を覗き見た。

「貴方、店はいいんですか?」


この場所からでは、店内の様子を窺うことは叶わないが、遠くの方で会話らしき声がしている。

先程までノーゲストだった店には、今数人の客が居るようだ。


「あーいいの、いいの。さっき優秀なバイト君が来たから。それより、俺は黒雨(クロウ)ってんだ」


「クロウ‥さん?え、ハーフとか?」


「いや、生粋の日本人。これは源氏名みたいなもんだ。白黒の黒に雨で黒雨。で、お前の名前は?」
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