ビターに愛して シュガーな恋心
一人で過ごす教室

別に…つらくない

平気

自分を偽って、へらへらと笑っているより…楽だわ

ちらちらと冷たい視線は感じる

『誰?』みたいな人を審査するような鋭く冷たい視線

『ああ、ずっと休んでいた子?』
『引き込もりだったとか?』
『え? 今更、登校ってどんな心境の変化?』

なんて、ひそひそと友人同士で話しているに違いない

勝手に私のバックグランドを作り上げて、批判して…馬鹿にする

それで、ストレス発散をするのよね?

他人の悪口を言って

自分を優位で真面目な人間にして…気持ち良くなる

わかってる

私もそういう人間だから

わかっていても、つらいときがある

歯を喰いしばって、踏ん張れない時もある

そういうときは、どうすればいいの?



私の座っている机に、黒い影ができた


え?


私が顔をあげると、にっこりと微笑んでいる藤城君が立っていた

「おはよう、小山内さん」

「……え?」

びっくりした

何で?

どうして藤城君が私の前に立っているのだろう?
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