ビターに愛して シュガーな恋心
僕は…僕にだって、恋愛の自由はある

好きになる人を選ぶ権利はあるはずだ

…って言いたいけど

今の僕に、何ができる?

ずっと剣道を続けてきた僕は、何もしていないような男に負けた

敗北した

傘だったから…なんて言い訳なんかしたくない

完全なる敗北だ

喉を突いて、勝ったと思った

立ち上がる力なんてないと思った

なのにあの男は包丁も落とさず、僕が身体の上に乗っているにもかかわらず

立ち上がった

まるで、ベッドから起き上がるみたいに

いとも簡単に立ち上がり

言葉を発した

僕が喉を突いたのに、『桃香』とはっきり言葉を出した



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