世界は残酷な女神の笑みを理に
イベントメールで済んだのなら、単なる悪戯として記憶の中のゴミとして片付けられていただろう。


いや…。


寧ろ、それを望みたいと心の中で願っていたのだろう。無論…今、この時も…。


補講で使われている教室から漏れる冷気が蓮の頬を撫で、心地好く廊下内に吹く涼しい風に先程の苛立ちをも忘れた様に職員室に向かい廊下を歩いていた。

「うちの大学…、無駄に広いんだよな…っと…。」


レポート用紙を丸めて肩を軽く叩きながら、蓮は長く続く廊下に目を遣り、曲がり角の向こうに見えた職員室と書かれた札を見ながら歩いていれば、曲がり角で軽く女性とぶつかり、声を上げてしまうも、女性は逃げる様に蓮が来た道を歩いて行く。

「あんな奴、学校に居たっけか?」


──…ー…ー…。


その時、ジーパンのポケットの中で携帯が震え、蓮は再び先程の苛立ちを思い返しながら、携帯を取り出した。


件名[─…第一回戦目の内容…─]

─…・LIFEGAME

ルールは簡単です。
今、貴方のポケットに銀色の玉を入れて置きました。
それを制限時間内に守り切って下さい。
他の者から奪取すれば、玉は二万円に換金出来ますので、是非強奪などを御楽しみ下さい。

尚、玉を取られた者は即失格。

LIFEGAMEです。LIFEがなくなれば…御分かりの通りです。
制限時間は二日。

では制限時間終了時に、また連絡を致します。…─
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