ラブ・スーパーノヴァ
そうこうしているうちにバスが到着した。

アンケートは倫がバスを降りたところで待機し、皆から受け取った。

薫の番が近づくにつれ心臓が高鳴る。

アンケートを受け取るという、たったそれだけのことなのに緊張する。

しかし、倫の緊張は無駄に終わった。

「はい、これ。九条君の分もね。」

由香が自分の分と薫の分を合わせて倫に渡した。
薫は何も言わず通り過ぎる。

倫は由香が薫と仲良くする姿に思った以上に堪えていた。

しかし、そんなことを気にしている暇はなかった。

これから合宿を滞りなく進めるのが倫の仕事だった。

湖での観察は教授主導で行われ、大学生と高校生を混ぜたグループを4つほど作り、実験を行う。

さすがに高校生たちのレベルが高い。
特に九条と樫野はその知識の深さで教授や大学生たちを何度も驚かせた。

由香は倫と次の実験の準備をしながらため息をついた。

「九条君・・・すごいわあ。ああ~本当に彼氏にしたい!」

倫はどきりとした。

「ね、肝試し、本当に頼むね!私、頑張っちゃお!」

倫は由香がどう頑張るのか大体想像はついたが、考えないよう作業に没頭した。

研修所に戻ると、教授の簡単な講義が始まり、高校生たちが積極的に質問する。

その間、大学生たちでバーベキューの準備を行う。

女性たちが料理の準備、男性たちは炭や席の準備に追われたが由香は化粧治しに部屋に篭っていた。

「それにしても、九条はすごいっすね」
男性学生の1人が感心した声を上げた。

「さっき、湖で生物資源の話になって、もう俺ついていけなかったっスよ。

どこどこの国で研究された結果の統計がどうで・・・とか、知識と記憶力がすごいし、複雑な計算なんかも頭の中でばーっとやっちゃうんスよ。」

「俺も、自分の研究内容聞かれたんだけど、俺、今物理も被ってるとこやってて、計算がすげえめんどうなんだけど、それを少しの時間で解いてさ。

物理の知識かなりあるんだよなぁ。挙句の果てにはこうしたほうが効率がいいとかってアドバイスまでいただいちゃったよ。」

別の男子学生も驚きの声を上げた。

倫は自分が褒められてるような気がして嬉しかった。

みんなの興味をひきつけてしまう、そういう人なのだ。
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