流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「あ!あんた、毛利正弘さんじゃ…」

桂がそうつぶやいたとき、隣で坂本が深いため息をついた。

「…申し訳ないが、あんたにも聞きたい話がある」

ぎろりと桂を睨みつけたあと、小さく舌打ちをしたかと思うと、すっと玲子と正弘を見つめた。

「もちろん、あんたが言うとおり、任意同行だが」

ちらりと玲子を見る坂本の眼は、とても鋭く冷たいものだった。

「それは私にも言ってるんですよね?」

玲子が小さくため息をついて言うと、坂本は何も言わずにじっと見つめてきた。玲子はちらりと正弘を見る。困惑したような表情の正弘。玲子は一瞬だけ考えると、すっと坂本の方を見た。

「とにかく、任意同行なんですよね?小さい子もいるんです。今からはいけません」

きっぱりと玲子がそういうと、桂が今にも食ってかかりそうな形相をする。

「明日、警察署へ伺います。それで問題ないですよね?」

玲子がそういうと、坂本は小さく頷いた。

「ああ。受付で俺を呼んでくれればいい」

そういうと、桂の襟首をぐいっとつかんでその場を去って行った。

「玲子…」

少し心配そうな顔をした幸村に、玲子は少し苦笑いを浮かべながら、大丈夫だよ、と呟いた。

「…毛利さん、ちょっといいですか?」

玲子は正弘と少し話をした後、それじゃ、と言って、幸村のところに戻ってくる。

「さ、今日はもう遅いし、部屋に戻ろう?」

少しだけ困惑した表情の幸村に玲子はにっこりとほほ笑んだ。
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