流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「おいで、幸姫」

呼ばれて側による。ぎゅっと優しく抱きしめ、頭を撫でてくれた。

「怖かったなぁ。でも、もう大丈夫じゃよ」

「うわーーん!うわぁぁー!」

一気に緊張のの糸が切れて、まるで決壊したダムのように泣き、涙が溢れた。


こわかった、こわかった!


ただ、それだけだった。

目の前で人が『死ぬ』


作り物なんかじゃない、現実のできごとで。


人が、死ぬ。



痛みを感じた。
恐怖を感じた。


だけどなによりも。
命が消えてしまう。

そう思うと、胸が痛み、頭がグラグラと揺れた。



しんでない。



その事実が嬉しくて。ほっとして。
幸姫は暫く、泣き続けた。


< 198 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop