H・O・L・D UP!
牧子が電話をしてから15分程で、高橋警部は鑑識と数名の刑事を連れて来た。
「山村さん。いつも悪いね、真輝が事件に巻き込まれる度に、協力してもらって」
お店の中だと目立つので、コインロッカーの前で待っていた牧子に、高橋警部はそう言って苦笑いした。
「もう慣れました。今日も帰り間際、見張りの目を盗んで私に抱きついて、小声で言ったのが『高橋警部へ連絡して』……ですから」
牧子も苦笑いをする。
「警部、これです」
続けてそう言い、牧子は真輝が殴り書きしたメモを高橋警部へ渡した。
高橋警部はそれに目を通すと、ちょっと眉間にシワが寄った。