月の雫 -君と歩む彼方への道-
(こいつ……また、”死”の命令でやっつける気かな)


こっそりとなりのシルヴァイラを盗み見る。

深々とかぶったフードの下の繊細な横顔は無表情で、何を考えているのかわからない。




「次。シルヴァイラとシレン」


名前が呼ばれると、即座にすくっと立ち上がり、またすたすた何の迷いもなく歩き始めるシルヴァイラ。

オレも慌てて立ち上がって、シルヴァイラの細い背中を追いかけた。



戦闘エリアに並んで向かいながら。

シルヴィは前を見据えたまま、不意に口を開いた。


「とりあえず物理攻撃はやめて、シールドを張ったら、様子を見ていてほしい」

「……わかった」


オレはうなずいた。



リーダーはあんただ。
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