月の雫 -君と歩む彼方への道-
「謎の新入りのせいで、わたしがペアからあぶれたようだね」


レイジュラは口の端をつり上げて、にっこりと笑った。



そうか。

人数が奇数になったから、レイジュラにはペアがいなくなったんだ。



といっても、レイジュラは第一階級だ。

誰かから学ぶというより、与えるだけ。


ペアなんて、いた方が面倒なだけかもしれない。



「まあ、せいぜい頑張るといい。じゃあね」


優雅なしぐさで手をひらひらと振ると、ゆったりとした足取りで廊下を遠ざかっていく。
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