月の雫 -君と歩む彼方への道-

4.降格

翌日は5日ぶりの朝の集会だった。

集会ごとに現在のレベルが見極められ、階級の上下があれば発表される。



覚悟はしていた。

が、オレの名が読み上げられると、やっぱり心がぐらっと揺らいだ。


「第4階級 シレン」


(オレ……心が弱くなってるのか?)


オレは深く呼吸をして、心を落ち着けた。


ふぅ。もう大丈夫。

自らに、暗示をかける。



「――第9階級へ 降格」



ざわざわざわ……


周りが騒然とするのを、それでも、オレは案外冷静に聞いていた。
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