月の雫 -君と歩む彼方への道-
「問題、とまではいかないけど……

あいつ、何も知らないし。

何でも一からオレが教えなきゃいけない。


それに、毎晩ひどくうなされてるんだ。

しょっちゅう夜中起こしてやったり、何かと手がかかるんだよ。


オレみたいな格下の人間より、さ。

レイジュラみたいな優等生と組ませるほうがいいじゃないかって、つい思ってしまうんだ」

「……」


じいさんは無言で、深くうなずいた。

それから、ニヤッと笑う。


「それだけか?」

「う……」


じいさんはお見通しだな。

オレはついため息を吐いた。
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