月の雫 -君と歩む彼方への道-
裂けた服から顔をのぞかせる傷は、決して浅くなかった。

服にもべっとりと血がついている。


「痛いだろ?」

「……」


どこか悔しそうに細い金色の眉をひそめるシルヴァイラの、繊細なラインを描く妖精めいた横顔を眺めながら。

オレはさっきのことを思い出してた。



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今日はペアでの戦闘研修だった。

どういう風に相手を倒すか、ペアで戦術を話し合って実際に戦う研修だ。


たいていは片方が攻撃、片方が補助・回復系に回る。

それもペア次第で、二人してがんがん攻撃するペアもあるし、いまいちかみ合わないペアもいる。

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