月の雫 -君と歩む彼方への道-
魔道によってシールドを張られた”戦闘エリア”では、みんなが次々に魔物と戦っていた。


この戦闘エリア外にさえいれば、魔物の被害はない。

なので、戦闘の激しさとはうらはらに、外で見てるオレたちは妙に牧歌的だ。




「次、シルヴァイラとシレン」


みんなの戦いを他人ごとのように見ていたら、不意に名前が読み上げられた。


「え、オレたちもするのか?」


じいさん、その辺は考慮するって言ってなかったか?

いきなり戦闘研修なんて、きついだろ。


「シルヴァイラは新入りだから、まだあの……」


それに、病み上がりだ。

大怪我でもしたら、どうするんだ。
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