月の雫 -君と歩む彼方への道-
「どうすんだよ。

戦えるのか、おまえ」


オレは早足で歩きながら、小声で話しかけた。

物理系・補助系魔法なんて、使えないだろこいつ。


それとも、個別研修でなんか教わったのか?


――いや、いくらこいつが銀階級でも、そんなにすぐにモノにはならないはずだ。


「分担はどうする?

オレは物理系と、一部の補助系魔法しか使えない」

「んじゃ、うしろで見てろ」


……。


「おい、見てろ、はないだろ。

二人で協力しないといけないんだよ」

「んじゃ、適当に補助でも何でもしとけばいい。

好きにしろ」


オレの目を見もせずに、冷たく言い放つ。
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