月の雫 -君と歩む彼方への道-
「……」


シルヴァイラは何も言わない。

どこかうつろな目で、じっとベッドのシーツを見つめてた。



(辺境に配置されたら、だって?)


オレは自分の言ったことに、ふと疑問を感じた。



こいつ、見るからによそ者だ。

容姿もそうだし、”シルヴァイラ”なんて名も、この辺じゃ聞いたことがない。


この国の人員養成のためのこの研修所で研修して、この国で職につくつもりなのか?

高給で、高待遇の、誰にも尊敬される仕事。

確かによそのやつにも魅力的ではあるだろうけど。


この一匹狼の、風来坊じみたやつに、そんな欲があるようにはとても見えなかった。



――こいつの望みは、何だ?
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