ナツの思い出
「よく…来てくれましたね。
今妻はいません。

すぐに帰ってくるので
あまりいさせてあげることは
出来ませんが。

入ってください。」


翔のお父さんはそう言って
私の横を通って
病室のドアを開く。



恐る恐る入ってみると、
あの頃と変わらない、
翔の姿があった。


翔の元へ近付いていく。



後ろではドアが閉まる音がする。



私は翔の手を握って
ゆっくり話しかける。





「翔…指輪ありがとう。
大切にするね。
来るの遅くなってゴメンね。
早く…目を覚ましてね。
大好きだよ。」


私はそれだけ言って
病室を出ようとした。



その時、奇跡は起こった。

幸せな奇跡が…―

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