恋する旅のその先に

 ただ。

 そんなことは相手もわかっちゃいるんだ。

 それでも、その優先順位ってやつを愚痴っちまうのが恋愛というものなんだ。

 それもまた、こっちもわかっちゃいること。

 恋が綺麗なものだけで出来ていたならどれだけ容易いものだろう。

 けれどもし、それを恋と呼んでしまったとき、ただの“安っぽい”ものに成り下がっちまうのだろう。

 つまりは、ようするに、非常に残念なことに、恋ってやつは手厳しいものなのさ。

 で。

 俺はそいつに見事に“けつ”を蹴り上げられたというわけだ。

 実に情けない。

 加えて、うじうじうつうつしてるこの有り様がまた、さらに情けない。

 魚を逃がしたのは他でもない自分のせいで。

 そいつがとんでもなくでかかったのは鼻からわかってたことで。

 取り返そうにも赤い糸はとっくにちょんぎれてて。

 そんな俺が今すべきことは。

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