恋する旅のその先に

 夕方のスーパーはなんだかとても愛おしい。

 私がまず向かうのは野菜コーナーだ。

 会社帰りにいくともう特売品は大概売り切れているのだけれど、そんなことはお構いなしにある場所へとずんずんずん。

 そこは整然と陳列された他のコーナーとは違って、様々なコーナーから寄せ集められた商品が雑多に置かれている。

 いわゆる“おつとめ品”のコーナーだ。

 賞味期限が間近であったり、見た目が少し悪くなっていたり、不人気な商品が集められている場所。

 そんな彼らだから当然値段は随分と割り引かれている。

 毎月乏しいふところの私にはなんともありがたい話なのだけれど、それ以上に──彼らに自分を重ねてしまい、なんだかとても愛おしい気持ちにさせられるのだった。

 目の前を行き交う人はこんなにもたくさんいるのに。

 見た目も、味わいも、自分と大差なんてないのに。

 なのになぜか周りから取り残される。

 同じように努力して、同じように着飾って、同じように愛想を振りまいてみるのに……。

 どうして?

「どうしてお前たちは売れ残っちゃったんだろうなぁ」

「えっ?」

 突然横から私のこころを見透かしたような言葉が聞こえてきて、思わず声が出る。

 それはこの店のロゴが入ったエプロンをつけた男性から発せられた言葉だった。

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