今宵、月夜が終わるまでに…

出会い


「おい!ギル外に行くぞ。」

「何を言われるのですか王子!?あなたは国を治められるお方。安易に下界へ行かれては命があぶのうございます!!」

「まぁそんなに固い事いうなって。下界にいるのは心もない格下の奴らだけだろ?到底俺に触れる事すらできないさ。」

「確かにそうではありますが…。しかしっ」
「あぁ―もういつもギルは固っ苦しい。俺は退屈すぎて嫌なんだ。遊びに行くくらい好きにさせてくれ。」

「…申し訳ありません王子。では、私どもがお供します。その条件を呑んで下さるのなら。」

「ちっ。いつもギルが一緒か。いいかげん俺も一国を治める王だ。一度くらい一人で行かせてくれ。」

「…わかりました。今回だけ認めます。ですが王子、下界に人間が入り込んだとの噂…お気をつけ下さい。」

「ギル。俺が人間ごときに殺されるとでも?あんな弱い種族相手に死ぬ訳がない。心配するな。」

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