空からのラブレター
翌日、中庭に向かった。

「結衣。今日は、結衣を描きたいんだが…いいか?」

私は、頷いた。
嬉しいな。宗吾さんのスケッチブックに私も入るんだ。

よし、飛び切りの笑顔でいよう。
笑顔で宗吾さんを見た。
宗吾さんも笑っていた。
この幸せが、ずっと続けばいいのに。

宗吾さんに描いてもらっている間、私は思い出したり考えたりした。

本当なら病院なんかじゃなく、大学にいたはずなのに…
それで、美奈と遊びまくって…怯えながら遊馬と付き合っていたのかも。

カラオケ行ったり、渋谷行ってエルメスのバッグ買いに行ったり、洋服買いに行ったり…

そんな毎日だったのかも。
生きるか死ぬかで悩んだりしてなかったよね。
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