執行猶予3年

ライブがどんなだったとかは、
あんまり覚えていない。

ただ手に汗握ったかない。

このあたりだった。
鶴と洋ちゃんの関係が、
微妙にズレ始めた。

洋ちゃんと鶴が暮らし始めたのは、
去年の6月あたりか?

おおよそ一年。
始めは生活を安定させるのに大変だった。
其れが二人の共通の目的のようなものだ。

今は、
だいぶ安定している。

そうすると余裕が生まれる。


話しはそれから。


洋ちゃんは、
東京に来てやっと始動できたバンド活動。
そりゃ夢中。

鶴もできる限り協力したい。
そう言ってたし、
言ってる以上に、
思っていたと思う。


月に、
1~3本。
ライブをこなしていく。
その合間に洋ちゃんは、
ボイトレ言って、
スタジオ入って、
アー写取って、
いろいろと、
まあ良くは分からないけれど、
バンド麺と過ごす時間が増えていく。



「今日は…火曜日か。」

俺の週間予定は決まっていた。
俺は、
仕事を終わらせ、
師長からのお茶の誘いを断り、
さっさと家に帰る。


携帯メールには、
昼頃には鶴からメールは言ってたけど、
最近は暗黙的な了解名感じで、
仕事終わったら、
必ず鶴から、
『今終わった』メール。

居酒屋とかに、
すし屋、しゃぶしゃぶ、
飯を食いに行って、
カラオケ行って。

そんな感じ。
其れは洋ちゃんが夜勤の日も同じ。

鶴は、
類稀なる寂しがり屋…。
だと思う。

まあ、
俺は別に楽しいから良い。

凄い時は週に5回とかカラオケ行っていた。
おかげで、
カラオケショップの店員には顔を覚えられた。


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