I’m home

チャイムが鳴った。


授業の終わりを告げるベルが鳴れば、
みんな家へと帰りだす。
だけど俺らは、
何でもない話をうだうだしながら、
暗くなるまで、
非常階段にいた。

二人とも帰りづらい俺の為に、
一緒に居てくれ、
一緒に笑ってくれた。

「今日、うち来る?」


「あぁ…やめとくよ。毎回悪いもん。」

「気にせんでええのに。」


ここ一週間毎日、翔くん家に泊ってた。
さすがに、家の人に悪い。
家に帰るかと思うと、
最高に憂鬱だ。

日の長い夏の日でも、
もう日は傾いて、
もう帰らなきゃ正門が閉まっちゃう。

一緒に居てくれた二人に、
ありがとうって、
何回も心の中で感謝した。







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