ヒメ恋~Last Love~
まさか理奈と本当に結婚することになるとは思わなかった。


勿論、政略結婚だが…。


今回の話は、オレと理奈の両親の間で勝手に決められていた。


理奈は知っていたらしいが、オレは何一つ知らされていなかった。


両親に告げられた時には、もう後戻りできないところまで話が進んでいてーー。


今更断るものなら、一條の家名に傷がつくのは必然だった。


その上、会社の信用にも関わってくる。


オレにはもう、この結婚を承諾する選択肢しか残っていなかった。


ダイヤの指輪も、オレの名前で両親が勝手に理奈にプレゼントしていた。


周りがそんな祝賀ムード一色の中、オレの頭を占拠していたのは美海だ。



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