ヒメ恋~Last Love~

「勘違いしないでほしいのは、オレは君を責めているわけじゃないから。……ただ、子供にはやっぱり父親がいた方がいいと思う」

「……」


責めてくれた方がマシかもしれない。

あたしの考え方は生温いと、そうハッキリ言ってくれた方が、あたしがこれから選ぼうとしている未来がどんなにイバラの道であるか、思い知ることができる。


だけど颯斗さんは、やっぱり優しかった。


「オレが……その子の父親になるよ」

「……え?」

「オレはその子の気持ちが分かる。それに1人で育てるのは本当に大変だよ?オレは君を愛しているから……側で支えたいんだ」

「颯斗さん……」

「考えておいてね」


そう言うと、あたしの頬に右手で触れ、唇を重ねてきた。


「……ッ!!」


突然の出来事に驚いてしまったけれど、何故かイヤじゃなかった。


颯斗さんが本気であたしを愛してくれているのが、唇を通して伝わってきたから。


だけど颯斗さんが部屋を出て行った後、あたしにはまた迷いが生じてしまっていた。

いつまでも抜けられない、出口の見えない迷路。



この子には父親が必要?


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