ヒメ恋～Last Love～

だから提携の話がまとまり落ち着くまで、理奈と付き合うように言われてしまった。


正直、３つも年下のガキに興味はなかったし、面倒な付き合いなんてしたくなかった。


でも、将来一條家を背負う立場になるオレが、この提携話を棒に振ることはできない。


だから仕方なく理奈との付き合いを始めた。


まさかこの話に裏があるなんて知りもせずに……。


理奈が建前上の恋人になってすぐ、噂が大学中に流れたことは知っている。

このままでは、美海の耳に入るのも時間の問題だろうと。


だけど、何故か理奈の存在を美海に知られるのがイヤだった。


できることなら隠し通したい。


それが無理な話だと分かっていたけれど、できる限り、美海に知られるまでの時間を引き延ばしたかった。


何でそんなことを思ったのかは分からない。


ただ、知られたくなかった。