【完】イケメン生徒会長は俺様！？

「俺が絶対に幸せにする。だから……俺と結婚してください」



「……はい。よろしくお願いします」



あの感動のプロポーズから一週間。



俺たちは今、父さんと母さんの墓の前に居た。



もちろん、結婚することを報告するためだ。



父さんと母さんが死んでから、今まで一度も逢いに行かなかったから、ちょっと複雑な気持ちになる。



だから父さんと母さんの所に行ってから俺が一番最初に言った言葉は……"ごめん"だった。



その"ごめん"は、今まで逢いに行かなかったことに対しての"ごめん"だ。



"雨宮家"と書かれた石の前に花を置き、手を合わせる。



「……流二、大丈夫？」



美綺が心配そうに俺を見つめる。



「……ああ」



ほんとは、ちょっと後悔してる。



父さん母さん……ごめん



逢いに行くのが怖くて、なかなか行けなかったんだ。



「父さん、母さん。親不孝な息子で、ごめんな」



父さんと母さんの前で、小さく呟いた。



そして美綺の目には……涙が溜まっていた。



「……父さん母さん、聞いてくれ。俺に、守りたいヤツが出来たんだ」



「…………」



美綺は黙って俺の言葉に耳を傾けた。



「でな、子どもも居るんだ。美紅って言うんだけど、すげー可愛いんだ」



「…………」



「フワフワしてて、天使みたいなんだ」



「…………」



「でさ……俺たち結婚することになったんだ」



「…………」



「紹介するな……俺の婚約者の美綺だ」



「お父さん、お母さん、初めまして。流二君の婚約者の、森村美綺です。よろしくお願いします」



美綺はそう言って優しい笑顔を浮かべた。



「この度、流二君と結婚することになりました」



美綺はそう言うと、俺の手をギュッと握り締めた



その手は……すごく温かかった。



「あたしたち幸せになります。……だからどうか、これからもずっと温かい目で見守っていてください」