幸せそうな微笑み
「どーしたのよ、優羽。ボーッとして」


「紗恵って神宮君と
同じ中学だったんだよね?」


廣瀬紗恵(ヒロセ サエ)。


1、2年と同じクラスで一番の友達。


「うんそうだけど。
…って、何で神宮が出てくるの」


「中学ではどうだったの」


「どーって…今と変わんないわよ?」


「ピアノが上手い子とかいたの?」


「ピアノ?
さぁ、私あんまり興味なかったから。
でも何人はいたんじゃないかな」


「そうなんだ」


「だぁーかぁーらぁー、神宮がどうしたの。
まさか、優羽!?やめときな」


「ちがうってば。
あちこちで噂になってるでしょ。
で、確かにカッコイイナと思っただけ」


「本当に?あいつすっごい危険なんだから」


あの涙も演技だったの、かな…?


「絶対あいつは駄目。いーい?」


「う、うん…」


…今の私には恋なんて無理。


傷つくのなら恋なんてしたくないと。



今はそう思うことしかできない。
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