シャボン玉 *eternal love*



まだ薄暗い空の下、屋台特有の香りが漂う神社まで来るとたくさんの灯籠が飾られていた。



真っ白な和紙に描かれたお世辞にもうまいとは言えない絵。小学生が書いたのか、小さな女の子達がはしゃぎながら灯籠を指さしている。




辺りを見回しても彼女の姿はなかった。



「一人で祭りなんて初めて来たし」



本当なら手を繋いで二人で来たかったな。今はそんなの贅沢な願望だけど。



ただ来てくれるだけでもいいんだ。来てくれるまで俺は何時間でも待つつもりでいた。



大木にもたれかかって腕を組んでいると、ジーンズのポケットの中の携帯が鳴り響いた。





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