夏の桜
異変
 学校が始まって一週間。風が秋の匂いを含み始めた。雲も秋の雲になってきていて、夏が終わろうとしていることを告げているようだ。
 ハクはあれからも毎日のように俺の所に来ている。いつものように嬉しそうに笑いながら、でも少しずつ小さくなりながら……。
 この間は俺より頭一つ分小さかったのが、今は俺の胸より少し下くらいだ。
 こころなしか、若干元気もない。
 俺の不安はただただ大きくなる一方だった。
「ハク、大丈夫か?無理して遊びに行く必要はないんだ」
 それでもハクは遊びに行きたがって、俺の服の端を引っ張った。
「じゃあ、これだけは約束してくれ。森へ行っても桜の木の下でおとなしくしてること」
 ハクは一瞬むくれたがしょうがないと言うように渋々頷いた。
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