*Tiara*〜天使の君〜

*アルバンでの日々

〜〜それから5日


少女はティアラと呼ばれ、アルバンでの生活にも慣れはじめていた



「ミオ、これを見て!とても美しいお花ね。」


城の庭には色とりどりの様々な花がうえられている


この庭を散歩するのが、ティアラの日課になっていた



「ティアラ様、まだお怪我が治られたばかりなのですから、ご無理はいけません。」


ミオの言葉にティアラはいたずらっぽく笑った


「もう、この通り元気ですもの。それにティアラ様はやめて。私はアルバンの王族でもない、どこの誰かも分からないのよ。それに私たち、年だってそう変わらないはずよ。」


「いいえ、そう言うわけにはいきません。ティアラ様は、シリウスさまがお連れになった大切なお客様と考えていますので…呼び捨てにしたらアイル様にしかられてしまいますわっ。」




ティアラはぷぅっと頬を膨らました

「まったくもうっ。私は助けて頂いた方なのに。こんな待遇をうける身ではないわっ。」


「そんなお顔をなさらないで。お部屋に戻りましょう。そろそろシリウス様がおいでになる時間です。」



シリウスは毎日、ティアラの元を訪れていた


なんで私などをそんなに気にかけてくださるのでしょう。
何の取り柄もない私を……


それでも、シリウスがくるのは毎日どこか楽しみにしていた


「そうね…早く戻らなきゃ。」


そういうと、ミオを伴って城の中へと急いだ
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