*Tiara*〜天使の君〜








考え込んでしまったティアラを励ますようにシリウスが笑顔をみせる



「ティアラ。そう考え込むな。」


「でも私……こんなにシリウス様によくしていただいているのに、なにも思い出せないなんて……」


ティアラは今にも泣き出しそうだ




「ティアラ?」


「………っ。」


シリウスはゆっくりとティアラの横に回り、ティアラを抱きしめた




「ティアラ?泣くな。そなたが泣くとどうしていいか分からぬ。そなたは私のそばに居ればよいのだ。」



シリウスはティアラの顔をのぞき込むようにして、その目を見つめた




「シリウス様……私のような素性も知れぬ者をなぜそのように優しくしてくださるのです。」


シリウスはティアラの水色の髪をなでた






「ティアラ…わたしはそなたを愛しているのだ。そなたの素性などどうでもよい。ただそばに居てくれさえすれば。」




ティアラは驚いてシリウスを見返す



「シリウス様……」


「ティアラ、前のことなど思い出さなくてよい。この城にいてくれないか。」



(シリウス様が私を…?なんでこんなに胸が熱くなるの?シリウス様から目が離せない。)





そんな2人のまわりにはいつの間にか察したのか
誰も居なくなっていた
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