Chocolat ordinaire Une nouvelle
准一と薫ちゃん

最終電車

ガタン…ガタン…


いくら窓から風景を眺めようとしても、ただ真っ暗闇の中に乏しい光がたまに見えるだけ。



あのね、喧嘩しちゃったんだ…。


一緒に特急で帰る筈だったのに。



顔を合わせたくなくてわざと鈍行列車に乗り込んでしまった。


これが最後の長距離列車だからもしどこかで降りてしまったら今日は戻れない。


今頃、アナタは何を考えてるんだろ?


俺の事少しは考えてくれてるのかな…?


このままわざと何もない所で降りて暗闇をさ迷うのもいいかもしれない。



このままわざと何もない所で降りて暗闇をさ迷うのもいいかもしれない。



そんな事出来る訳ないけど…。


携帯をいじりながら考えていたら、ふとまーくんの事が頭に浮かんだ。


思わず発信しそうになった指を慌てて止める。



こんな時でも俺はまだ福ちゃんと向き合う事が出来ない。

ごめんね


胸が締め付けられて辛いよ。


素直になれなくてごめんね。


こんな俺を好きでいてくれてありがとう。



なんかね、悲しくなって泣きそうになってきた。

電車はガラガラだし、泣いてしまおうか。





福ちゃんに…
会いたいよ…。




抱きしめて貰いたいよ。




泣き止んだら
福ちゃんにメールしよう。


まだ間に合う筈。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop