それは初恋で、





「…」

「…」




陽が落ちて、辺りは随分、暗くなっていた。




「藤沢、行って」

「俺はもう少し、ここにいる」




私は小さく頷いた。




「また明日、学校でな。あ、変に避けたりするなよ!……お願い」




相沢くんのお願いの声のトーンに、頷くほかならなかった。



「また明日、」




痛い、苦しい気持ちをしっかり受け止めようと、私は相沢くんに背を向けた瞬間 に込み上げてきたものを、必死に堪えて帰宅した。






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