メガネで無口な王子様
「じゃーねぇっ☆☆
8が6に……
ちゅーしちゃうっ♪♪」
トランプは4、8が男子。
3、6が女子なので……。
って………私6なんですけど……!!!
「8と6起ー立っ!」
立たないわけには行かないので、立つ私。
もう1人立った人物は…………
………………悠斗くんだった。
「じゃー悠斗くんっ♪♪
杏里に熱ーいちゅーを☆☆」
「ちょっと瑠璃っっ/////
あっ………悠斗くん無理してやんなくてもいいからねっ……?」
「やるよ。
王様ゲームだし☆」
……………………はっ…???
マジですかっ??!!
あなたの先祖は王様の家来だったの???!!
だから命令にしたがおうとしてるの?!
「じゃーどーぞっっ☆☆」
「……………。」
悠斗くんの顔がどんどん近づいてくるのが分かる。
待ってっ………!!
本当に本気なの?!
いやじゃないけどっ………
なんかモヤモヤするっ……!!
しちゃいけないような……
しないほうがいいような……
そんなモヤが心を支配していく。
もう悠斗くんとの距離がわずかだと思った私はおもむろに目をぎゅっとつぶった。
このまましちゃうのかな…………
♪ピロリロリーン♪
静かな部屋だからなのか大音量で誰かの着信音が聞こえた。