君、想う刻


後日、廣瀬が家に遊びに来た



廣瀬が私の部屋に来て廣瀬が謝った




「ごめんね……」


「何が?」



「……………」



廣瀬が謝った理由は知っていたけど敢えて知らないフリをした




「朱音……?」


呼び慣れない私の名前を遠慮がち言う



でも私は満足した



あの女の人と対等だ



「廣瀬」



私もあの女の人と対等になりたい




あの女の人は"優"って呼んでいた



私は"優くん"から"優"なんて言うつもりはなかった



だから名字である"廣瀬"って呼んでいるの




それは今でも






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