君、想う刻



「………で?なんで朱音ちゃんはここに座るかな」




「君嶋くんは私がここにいるのが迷惑なわけ?」




「まぁ……」




結局廣瀬と君嶋隼人は海に来なかった



お昼すぎになっても中々来ないから別荘に戻った


そろそろ帰ることになりなんとなく廣瀬が私とそばにいたくなさそうだから私は君嶋隼人の車に乗る




「朱音ちゃんの初恋は優ってことは分かったけど
今は好きな人はいないの?」




「いな……」


「嘘はナシ!!

俺と朱音ちゃんの仲じゃん♪

協力するよ」




"協力"かぁ

確かに敵よりは味方が多いが……



君嶋隼人は廣瀬の友達だし……



「優?」


ここは素直に



「うん」




「なるほど…

じゃすぐに告白しなよ

善は急げだし」



「でも……廣瀬は私が告白したら多分付き合ってくれると思うよ


でも廣瀬の会社は私より季山メーカーの方がいいんでしょ?」



葵は関係ないって言ったけど


会社は私たちがオトナになればきっと出てくる問題だ





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