愛傷─幼なじみとの恋─
―――1
朝。

目が覚めてベッドから起き上がる。

今日は学校もない日曜日でのんびり過ごそうと決めていた。

「おはよ~」

目をこすりながら階段を降りてリビングへ行く。

「日曜日だからってだらだらしすぎだろッ!!しかももうおはようの時間じゃねーし!!」

……え?

ここは我が家のはず。

なぜ雄[ユウ]が家にいるの?

「綾[アヤ]!!昨日、雄一君の家に行って鍵置いてきたでしょ!!」

雄と呼んでいるのはあたしだけで、本当は雄一[ユウイチ]と言う。

「あー……うん。ありがと。」

それだけ言ってあたしはまたギシギシと鳴る階段を上った。

自分の部屋に入って「バタン」とドアのしまる音と同時にベッドに倒れ込む。

すぐサイドテーブルから鏡をとり出して自分の顔を見てみるとやっぱり赤い。

「隣だからって……家まで来ないでよ…」

ポツリと呟く。

あたしと雄は小学校から一緒であたしがアメリカから日本へ来て、初めてできた友達が雄だった。

「どこから来たの?」

雄があたしに話しかけてくれた最初の言葉。

嬉しかったのをよく覚えている。


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