雑草だから笑う。
1日、1日、とても長く感じていた。



光が全く当たらない暗くて長くて出口のないトンネルを歩いているようだった。






そんな私にも唯一、安らげる時間があった。





実家に戻って1年が経った頃に付き合いだした彼との時間だった。


彼は私の家の事情を知っても「それでもいい」と受け入れてくれた。


貴重な睡眠時間がなくなってしまうと分かっていても彼に会った。

その頃の私はどんなに疲れていても彼に会うほうが、疲れがとれるような気がしていた。



彼に当り散らした日もあった。

そんなときも彼は怒ることはなかった。


突然、辛い・悲しい・悔しい・・・・・・・などいろんな感情が溢れ出して、彼の前で泣くこともあった。

泣いたって何も変わらないのに。

分かっているのに泣いた。


彼は黙って頭を撫でてくれた。

私の化粧が落ちた顔を見て「目の周り真っ黒」と言った。

その後、2人でちょっとだけ笑った。



ある日、母が休みをくれた。

私は彼と映画を観に行った。


その帰りの車の中で携帯が鳴った。

「出来るだけ早く帰ってきて」という母。

理由を聞いたがそれしか言わない。


現実に戻りたくなかったが、気になることがあったので「すぐ帰る」と返事をして電話を切った。


気になることとは、父のことだった。

最近また、様子がおかしい。特に暗い。

そう気付いたのは一ヵ月前くらいからだった。

でも、父の兄弟も祖母も気付いていない。


だから、母と兄と私、3人だけでおかしいと感じたときは父から目を離さないようにしていた。





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