生きる
ビルから出ていくと、小平次のテンションはマックスだった。
興奮で鼻息が荒い。
「いやぁ、すごい戦いだったな。で、金の折半なんだが……」
小平次が金を数えている最中、拓哉はそれを奪い取った。
小平次は驚いた。
「な、何すんだ。」
拓哉は何も言わず、小平次の顔面を殴った。
地面に倒れこむと、気にせず腹を蹴る。
鈍い音がした。
「お前が俺の上がり牌を、あいつらに伝えたのは感付いていた。俺に借金を背負わすように、仕組まれてたんだよな。」
さっきまでの自分だったら、別に気にしないことだったと思う。
しかし、先ほどの戦いで、拓哉は生きる実感がしたのだ。
乾き果てていた心に、ギャンブルの水を注いだ。
生命を削りあう、裏世界へと踏むこんだ。


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