生きる
話すことはできるが、触れることはできない。
たぶん、今の運転手の状態は半死状態なのだ。
まだ助かる可能性がある。
陽助は慌てて言った。
「あなたは、まだ助かる。すぐに自分の身体に戻るんだ。さぁ、早く。」
陽助の早い口調に、運転手も慌てた。
「あっ、は、はい。で、でも、どうやって?」
「いいから、自分の身体と重なるんだ。早く。」
陽助にもよくわからないが、そうすれば助かる気がした。
運転手は深々と頭を下げ、急いで身体に戻っていった。
どうだ、助かるか。
陽助は不安を押し込み、必死で祈っていた。


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