誓い
副院長室。

圭吾は中に入って、
クマ先生の前まで行く。

「またお前は病室抜け出して。
気分悪くなっても知らんぞ。」

圭吾はそれを無視して
話し出した。

「今日は先生にお願いがあって。
これで、最後にするから。」

「何だ?」

「僕、病院じゃなくて…
家で過ごしたいって考えてる。」

クマ先生は黙って
聞いてくれていた。

「せっかく結婚したのに
一度も帰らないのもなんだし、
自宅で結婚生活送ってみたいし…
それだけじゃないよ?
どうせ命が短いなら、
大切な人たちと一秒でも
長く一緒に居たい。」

すると、クマ先生が
ため息をついた。

「仕方ないなぁ、
どうせダメだって言っても
聞かないんだろ?
ただし、俺が毎週
様子を見に行く。
それが嫌なら諦めなさい。」

「別に、それで皆と一緒に
居れるなら、構わないよ。」

「解った。
じゃあ、近々退院
出来るように準備しとけよ。」

「ありがと、先生。」

こうして彼は、再び
自宅で療養する事になった。
< 105 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop