誓い
圭吾は悔しさで唇を噛んだ。
思いをはっきり
彼女に伝えれば良かったのに、
病気になんかなって、
彼女が居なくなるのを
黙って見ていなければ
ならなかった。

(引き留めることすら
しなかった
僕も悪いけれど。)

まぁ、引き留めた所で
親の都合だから
どうなる訳でもないけれど、
せめて連絡先位は
聞き出せたはずだ。

なのにそれをしなかったし
そもそも出来なかった。

悔しくて、たくさん泣いた。
でも泣いていても
始まらない。

生きなくては。

こうして生きている間に、
彼女の情報を
掴めるかもしれないんだ。

周りの友人には、
欠片でもいいから
掴んだら教えてくれと
頼んである。

この通り、ベッドからは
あまり動けないけれど、
もし彼女に
再会出来るならば
想いを告白する。

そう、決めていた。
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