がんばれ!ノザワくん
その翌日。

インターホンが鳴ったので、いつもの通り、よねちゃんが出る。

「はい、ソコモ群馬営業所です」

相手は、JTTソコルという派遣会社の、営業のアトウさん。ソコモの派遣社員は、ほとんどがここから派遣されてきてるんだ。

よねちゃんは、ココモ系列の会社らしいんだけど、毎月何度も足を運んでくるので、アトウさんとはけっこう親しいらしい。

アトウさんが、事務所に入って来て、所長と課長に挨拶するついでに、よねちゃんのところに来て、こう言ったんだ。

「ヨネヤさんの声って、癒し系ですよね~!聞いてて、ほっとしますよ~」

…そうかな?

よねちゃんも、

「え?そうですか?そんなことないですよ~」

と否定してるんだけど、それを聞いてた人たちは、

「うん、確かに癒し系だよね」

と言っている。

「いやいや、絶対にそんなことないですってば」

「自分だと、わからないものだよ~」

よねちゃんは大きく首を振っていた。
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