がんばれ!ノザワくん
ひょっとすると、安全祈願に行かなかったのが、事故に遭うことにつながったのかもしれないんだけど…

そればかりは、何とも言えないか。

今確実に言えることは、

「何を出せばいいんだ~っ!」

と、ヤミー主任とセトウチさんに混じって、ノザワくんが大騒ぎしていて、よねちゃんが頭抱えてるってことかな。

「よねちゃんも大変だね~」

ヒトコさんが、他人事のように、そう言ってる。

「あの書類、本社に送るらしいんですよ。郵便で出すなら、あと30分くらいで回収来るから、早くしてほしいんですけどね」

「ま、いいんじゃない?ノザワ課長、見てて楽しいし」

「…巻き込まれる方としては、勘弁してほしいんですけどね」

よねちゃんは、いつでも書類が送れるように、スタンバイしている。


アーマ課長が病院から戻ってきたのは、夕方になってからだった。

首に巻いてるコルセットを見たオーノ課長が、

「その太い首に入るコルセットが、よくあったよな」

と言っている。

「でも、これ、苦しくて、下が向けないんですよ」

「だろうな。さらし首みたいだもんな」

…アーマ課長、車通勤だけど、家に帰れるのかな。それとも、車置いて、電車で帰るのかな?

「今日は電車で帰るよ。さすがに、事故直後に運転する自信はない」

というわけで、ノザワくんに、「高崎駅まで送ってくれ」と頼んでいた。



事故に遭った車は、相手の会社が直してくれるそうだ。

「セダン型でよかったよ。ワンボックスだったら、後ろのガラス割れてたかもしれないな」

アーマ課長は、事故の時の状況を、オーノ所長やノザワくんに語っていた。

「やっぱり、一緒に安全祈願行けばよかったですかね~」

相変わらず、ノザワくんは、のんきに言っていた。
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